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October 14, 2018

八ヶ岳連峰 天狗岳へ 30年10月2日~5日

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2年ぶりの八ヶ岳だ 

2日前に 日本列島を縦断した台風24号は 

登山道に爪痕を残していた

予報では また次の25号が北上して来ているという 

24号と25号の合間を縫って 天狗岳に登った


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1日目 10月2日

夏沢鉱泉の車が 茅野駅に迎えに来てくれた  

車は 桜平駐車場ゲートから 更に奥に進んでくれて 

川の橋が流された所で 車を降りた 

急場しのぎの 枝木で作られた仮橋を渡った

 

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夏沢鉱泉に泊まるのは 今回で2度目だ 

気配り十分のスタッフたちは 健在だった 

おいしい食事は 手作り野菜 

勿論 鉱泉のお風呂がある


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2日目 10月3日 

夏沢峠経由で 次の山小屋 根石岳山荘に向かった

夏沢峠までは 一部 谷の沢のなかを歩く

沢はえぐれていて 

道の方も 前回のことを思うと 大分荒れていた

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暫く歩いたところで 

昨夜の夏沢鉱泉で一緒だった リハビリ中だという 老女に追いついた

ゆっくり、ゆっくり歩く彼女とは 

6年前 北穂高岳の登山道で会ったことがある


北穂では 短く言葉を交わしただけで別れたが 

その時の情景は今でも 印象深く残っていて 

時折思い出すことがあった


我々は 北穂の南陵を登っていた

そろそろ 頂上が近いかなと思う所で 上から 

一人の女性が リハビリ用の杖をつきながら 

ゆっくりと降りて来た 

見るからに弱々しく 痛々しそうだ


声を掛けると 

腰を痛めて入院し 退院して2ヶ月になると言う

腰のリハビリのため 

奥穂から回って来たのだと言う

 

そう言うと 

また杖をついて ゆっくりと遠ざかって行った


そんなにまでして

そんな体で よくぞこんな場所に・・・・

われわれは只 茫然と 

その女の人を見送ったのだった

https://bit.ly/2yB1ZlK


老女(失礼! 私と同い年だった)が その人だったとは



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根石岳山荘は 夏沢鉱泉と同じグループだ

到着後コーヒーを注文すると 連泊ということで 

無料サービスだった


明日の天狗岳登頂に備え 展望風呂に入り

窓から見える 槍や穂高を見て のんびりと過ごした

風呂の方は 野趣溢れるしつらえで 

些か緊張したのだが


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3日目 10月4日

山荘を出るとすぐ根石岳に着く

目の前は東天狗岳だ 

東天狗岳に到着し リュックを置き 西天狗岳に向かう

南に目をやれば 先ほどまでいた根石岳山荘が見える


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切れ落ちた斜面に へばりつくように建っている

爆裂口の硫黄岳を見れば その向こうに 前回登った赤岳が見えてきた

西天狗岳から再び 東天狗岳に戻った


東天狗岳から北に少し下ると 眼下に美しい景色が広がっている

森の中に 今日泊まる黒百合ヒュッテも見える


道は二手に分かれるが 天狗の奥庭がある 左側の道を行くことにした


しかし ここからが 

北八ヶ岳の本質だったのである 

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道は 石がゴロゴロしている  

ゴーロ石ではない 大きめのイワイシだ


遠くから見るイワイシは 

緑の木々に映えて 美しい景観を作っていたのだが・・


その大き目の石のうえに 上がったり 下りたり 

間を通り抜けたりしながら 進む

足が短い者には なんともシンドイ道だ


後ろから来る 若い人達が 

イワイシの上を 

ヒョイヒョイと飛ぶようにして 

追い抜いて行く 

天狗さまのように

だから天狗岳・・・なのかな?


難儀しながらやっと 黒百合ヒュッテに降り着いた

行程時間は コース時間の倍以上だった


P1100645_3 つくづく 若くないことを実感した すると

もう 合計年齢150才だよーと  

天狗さまの声がした



4日目 10月5日

何時間熟睡したのかな 

かつてこれほどまでの 「鼾」の大合唱に 

会ったことがあるだろうか

それは 隣の大部屋から聞こえていた


黒百合ヒュッテ 5時半の朝食 7時出発

ルートは 中山峠 中山展望台 高見石小屋 白駒池バス停だ

11時8分発のバス 茅野駅行きに乗ろうと思う

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このルートも案の定だ 

中山峠を過ぎたころから イワイシが出てきた 

岩石の急登が続く 

しかも段差が大きい

 

展望台を過ぎると 今度は 岩石の下りだ 

延々と続く

反対側から登って来る人も 口かずが少なく

とてもシンドそうだ


森一帯はシラビソの樹林で 美しい苔で覆いつくされている

神秘的な光景が広がっているのだが ゆっくりと眺める余裕はない 

今は石に向き合い 滑らないように 慎重に下るだけ



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北八ヶ岳に来たのは シラビソの森を歩きたくて・・・のはずだったのに

 

やっと高見石小屋に着いた
P1100665_2 小屋で バスの出発時刻を確認すると 

あと1時間しか余裕がない


小屋の人から 

ここで休息を取り 一つ後のバスをと勧められた 

が 行けるだけ 行ってみようということになった 


緩い下り道は 沼かるんでいた 

でも これまでの道のことを思うと 断然ラクチンだ


走るように バス停を目指した



到着した白駒池バス停では 

黒百合ヒュッテで一緒だった 49才 福岡の男性が 

「間に合って良かったですね」と 満面の笑みで迎えてくれた

彼は 途中の厳しい岩道でも  

わざわざ引き返して来て 

この先ではラクになるからと 声を掛けてくれた


山小屋で出会っただけの 他人同士なのに 

まるで身内のように 気遣ってもらった

本当に ありがたい事だった


この度の登山は 

優しさや 諦めない粘り強さを 

出会った人に教えられた

 

この齢になっても 教えてもらうことは 

山ほど有るものだ


また山に登ろう 元気なうちは


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Comments

 ご主人が登場しないので置いてけぼりかと?
 今日 展望台で会えました 元気そうで何より
 良かったヨカッタ。

Posted by: 因業雁木 | November 07, 2018 06:18 PM

to Mr.因業雁木

コメントありがとうございます
いつも老齢 主人のこと ご心配いただき ありがとうございます
私と違い 骨と皮と 少しだけのお肉で 本体が構成されている 主人は この齢にしては 思いのほか 元気で 「軽々」と岩道を歩いていました
これからも ゆるーい 山歩き 続けるつもりです
おつきあい 引き続き よろしくお願いします

Posted by: | November 08, 2018 08:40 AM

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