自然路の残る由良岬・2012/2/26・
案内書には 由良岬と書いて「ゆらのはな」と読むと書いてある
連れあいが 四万十、足摺を走る 自転車競技に参加した
その帰り道
まだ 雪もちらつくこの季節だが
「ゆらのはな」へ行けば 少し春に近づけるのでは などと思い
歩いてみることにした
が 天気予報はやはり 冬の気圧配置
波浪注意報まで出ていた
~~ スライド写真 ~~
由良半島の付け根から 急に車道は狭くなる
ぐにゃぐにゃと曲がりながら 上がったり下がったり
右は崖 左は海だ
由良半島の突端は 遥か左前方に見えるが
なかなか近づかない
崖の影から 対向車が現れて「オット 危ない!」
ついに 助手席の 連れ合いの気分が悪くなった
席を替わって
運転してもらうことにする
道は あいかわらず ぐにゃぐにゃ道だ
真珠養殖の集落を いくつか通り過ぎる
助手席に替わった私も 気分が悪くなったころ
綱代(あじろ)の集落手前の 登山口に着いた
お昼近くになっての 登山開始となってしまった
車道の路肩に車を停める
すでに2台の 登山者の車がある
山側にコンクリートで作ってある 林道を上って行く
草が草ぼうぼうだ
出発して10分ほどで 尾根道にでる
左に進むと 道は 南に向かって行くことになる
直ぐに “道しるべ”と“石碑”に出会う
道の両側の木々の間から 海が見える
左は内海湾 右は豊後水道
今日は 豊後水道からの西風が強い
幸いなことに 辺りはウバメガシの純林で
強い風を防いでくれる
昔この辺りは 炭の生産地だったのだろうか
近隣の集落から 正午を知らせる サイレンやメロディーの音が
風に乗って 聞こえてくる
もうお昼なのだが 先は未だ長い
下のほうから 男女の話し声が聞こえる
すぐ下に 並行して別の道があるようだ
やがて聞こえなくなった
下りて行ったらしい
「登山口」の標識がある
尾根道と 山腹道の分岐に着いた
予定どうり 山腹道を下ってゆく
直ぐに 小さな湧き水があり
湿った急な下りは これから行く 山腹道の厳しさを暗示していた
瓦などが散乱している かっての由良権現神社を過ぎると
左側に切れ落ちた 斜面に出る
斜面は 靴がやっと掛かるほどの 踏み跡だ
ほとんどの人は 由良権現まで来ると
分岐に引き返すのか
あまり 歩かれていないようだ
滑り落ちないように 木につかまりながら
ピンクのテープを頼りに進んだ
連れ合いが タラノメの木を掴んだようだ
悲鳴をあげる
手袋を外すと 赤い血の点が三つ四つ
だんだんと膨らんできた
ここは 人の手の入っていない自然道だ
踏み外せば 海に直接ドボンと行きかねない
やっとのことで 山腹道を抜けて
尾根道に出た
明るい道になった
こんどは ブルーのテープが 木に巻いてある
この道はどうやら 切り開いた道らしい
潅木の間を下って行くと
突然
目の前に 白い角の灯台が現れた
左側を見ると
海岸へ下りる コンクリートの小道が続いている
かつて灯台へ は 海から入っていたようだ
灯台は 四角い 真っ白なタイル貼りだ
掛け落ちたタイルが一枚もない
何十年も経っているのに まだ光っている
なんと良い 仕事振りだ
灯台の周りは 木々におおわれて展望は無い
西からの強い風が 木々を揺らす
空模様も怪しくなり 今にも降りだしそうだ
風をさけて 灯台のタイルを背に
昼食を済ませる
帰りは 旧海軍の要塞跡の方に廻らず
今来た道を 引き返す事にした
山腹道との出会い地点まで返すと そのまま上に登って行く
なんと急な登りだ
どんどん登っていかないと 立ち止まることも出来ないほどの 急傾斜だ
息を整える遊びもない
樹木などを掴んで 身体を引っ張りあげる
これまでに こんな自然のままの山を 経験したことが
あっただろうか
誰が忘れたのか 短いロープが2本
木と木の間にかかっていた
25分の急登で 241mの山頂ポイントに出た
あとは稜線伝いに 尾根道を戻るだけだ
最高点249mに差し掛かると 4人の男性グループが休憩していた
彼らは 尾根道をそのまま来て
また
ここから引き返すのだと言う
私たちが 山腹に降りて
急登を登って来たと言ったら
それは! それは! と笑った
ここをよく知っている人達らしい
天気がよい日に歩く 由良岬は 楽しいだろうな
最高点から暫く進むと 小さな岩稜に出る
唯一 木々が途切れて 西の海も 東の海も見渡せる
今日は生憎の天気だが 九州まで見渡せるらしい
分岐まで帰ると
また元来た 尾根道を下る
のんびりと歩いて
車が駐車している 登山口に着いた
残っている車は マイカーと
稜線で出会った 男性グループの車だ
往復 5時間弱
標高250メートルの 海上散歩だった
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