北穂高岳(3106m)23/9/13~16
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のろのろ台風を待ち
それを 追いかけるようにして出かけた この度の北穂行き
待った甲斐ありだった
涸沢に立つと Pカンの空だ
沢はそろそろ草紅葉
錦秋への助走が始まっていた
涸沢小屋から 本格的な登りが始まる
登っている背中を 秋の強い日差しが照りつける
暫くガレ場を上ると 小さなルンゼだ
クサリもロープもない これを登ることが出来なければ
ここで引き返すしかない
なんとかクリアーだ
さらに上りながら
下りるときのことを もう 考え出す
別ルートの 涸沢岳経由
ザイテングラートへの方が 楽だろうか・・・と
クサリ 梯子を過ぎて さらに登る
下に見える涸沢ヒュッテが だいぶ小さくなった
テント場に差し掛かるところで
杖をついた(ストックではない) 一人の女性が よぼよぼと下りて来た
見るからに弱々しい 介添え人が要るような人が
何故こんなところに !?
話しかけると 65歳で
二ヶ月まえ退院して 今はリハビリ中だそうだ
奥穂から北穂へ廻り 下山中なのだという
そんな体で・・ なんとまぁ !!
強い精神力に 恐れ入ってしまった
女性の後ろ姿を見送る
きっと 若かりし頃は この辺りが庭だったのだろう
ガスった前方の崖に 小さな人影が見えた
頂上が近い
そして 涸沢岳への分岐まで来た
それを右へ
ザレた岩を登りあがると そこが頂上だった
頂上は 平坦に岩が敷き詰められ
直ぐ横に 北穂岳小屋の 赤い屋根が続いていた
石段を下りたところに まず北穂小屋の売店が
いれたてコーヒーの表示もある
ベンチにリュックをおろすと 気持ちが一気に緩む
受付を済ます
部屋は 三人部屋を二人で使えた
スタッフの応対が テキパキして 気持ちがよい
小さなカフェには クラッシクが流れていた
来る前から クラッシクが流れる山小屋と聞いていてた
どんな山小屋なのかな と思っていた
静かで 落ち着きのある良い山小屋だ
夕食も これが又美味しかった
味噌汁と漬物が とくに美味しくて
味噌汁は おかわりをした
おかず一人前セットを 隣の青年グループに譲ると
帰りの頂上で またお礼を言われた
夜になると 小屋は立待の月に照らされた
月の光は
カールを槍を大キレットを 幻想的な白の世界に変えた
そして 迎えた朝は
群青色の東の空の 一本のオレンジ゙色の線から明けた
太陽は 雲海の中から上がり
槍も大キレットも小屋も そして 人の顔もみんな紅く染めた
小屋を出発して 頂上は6時だ あまりの絶景に
暫し時を忘れ 360度の眺めを満喫した
いあわせた男性に
ジャンダルムとロバの耳を教えてもらった
もう来ることはないだろう しっかりと目に焼き付けた
下山は
もと来た 同じコースを下ることにした
下りてみると 意外にもスムーズだった
最後のルンゼでは 持参のロープを使ったのだが
涸沢ヒュッテまで下りて カレーとおでんを食べた
うどんが食べたかったが
麺類はラーメンだけだった
うどんの無い山小屋は 初めてだった
時間がまだ10時だったので
ここからの下山を パノラマコースに入ることにした
・・・が これが間違いだった
パノラマの名の通り
屏風のコルまでは 素晴らしい眺めだった
テレビなどで放送するのは ここなのか と言いながら この先を予想だにしていなかった
コルからの下りは (ここも パノラマコースとなっている)
コース名の変更を お願いしたいくらいだ
大きなゴーロ石が続き それをクリアしながらの 急な沢で
どこまで続くかわからない 長い下山道を
「メ、イ、ド、の土産」 コースなどと ネイミングしたりして
気を紛らわせながら 歩いた
後ろを 初老の男性グループが 見え隠れしていたが
付いてこなくなったころ 梓川に出た
下流に向かう
新村橋を渡る連合いは オー脚の足取りになっていた
徳沢ロッジで泊まり
翌朝の天気は 下り坂
大雨の中 650kmを走り広島に帰った
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Comments
月の光は
それから 人の顔も みんな紅く染めた
まさしく詩の世界です。
静止画像もムービーも、自分では経験できないので、その場でシャッターを切り、ムービーを撮っている疑似体験にひたり拝見させてもらっています。
感動のあまりコメントさせてもらいました。
Posted by: tontwu-coin | September 25, 2011 07:04 PM
tontwu-coinさま
拙いブログを見ていただいて 有難うございます
雄大な自然のなかで 感動あるのみでした
今 日常に戻って そのときの素直な自分を思い出しています
Posted by: aozora | September 25, 2011 09:46 PM