奥穂高岳 2010年9月20~22日
今回目指すは 穂高岳だ
穂高には 北穂高岳 涸沢岳 奥穂高岳 前穂高岳と
行きたい山は 数多くある
このたびは 悪天候のため 奥穂高岳のみとなった
◆◇◆ スライド写真 ◆◇◆
◆◇◆◇◆ ナビデーター ◆◇◆◇◆
前泊は上高地の西糸屋だ
予約を申し込むと 既に 山荘の方はいっぱいだった
止む無く 宿の方へ申し込んだ
(登山1日目)
朝 目が覚めると小雨が降っていた
朝食は コーヒーとピーナツで簡単にすます
涸沢小屋へ向けて出発だ
小雨の中 小梨平のテント郡を抜けて行く
徳沢に着く頃 雨は止んだ
薄日も射してきた このまま 天気の回復を願うばかりだ
やがて 槍 穂 常念コースの十字路にあたる
横尾山荘だ
山荘の前は それらの山から下山した 登山者で一杯だ
因みに 前日の穂高岳山荘の宿泊者は
400人だったそうだ
山荘の前にかかる 横尾大橋を渡る
暫く行くと
左手に垂直に聳える 屏風岩を仰ぐ
本谷橋を渡る頃 また小雨が降りだした
汗で蒸すので 雨具は脱いだり着たりだ
涸沢に出たが
上空にガスがかかり どの山頂も望めない
急な石畳を右に行くと 今晩我々が泊まる 涸沢小屋だ
涸沢カールには
こんな天気にもかかわらず 色とりどりのテントが並んでいた
(登山2日目)
今日も 時折 雨もパラついて 上空にガスがかかっている
涸沢小屋のテラスから続く 登山道を
奥穂に向け 歩き出す
左手下の パノラマコースを登ってゆく人が多い
二つのコースが合流する辺りから 下山の人が続くようになった
下山する人によると 頂上は
昨日今日と 天候が良くなかったそうだ
やがて ザイティングラートにさしかかる
岩尾根は 想像していたよりも ハードだった
最後の石段を登りきると
石が敷き詰められた 穂高岳山荘だ
すっかり雨に濡れての 到着だった
乾燥室は混む事無く リュックや靴など 充分に乾かすことが出来た
東側の部屋だったが 窓からは
カールもなんにも見えず 白いガスの中だった
日没前になって 西の雲が切れた
一時 あたりはオレンジ色に染まった
宿泊者はみんな 外に出るなどして夕焼けに見入った
明日を期待して
・・ が その後の天気予報では
前線が 日本海から南下中と言っていた
(登山3日目)
朝 三時半
隣室の人の ケイタイで話す声が聞こえる
「天気が悪いので こちらには来ないで」と言っている
ツアーの添乗員のようだ
今日 我々は 奥穂高岳を登頂して 岳沢を下る予定だ
雨は降っていないが 案の定 6時になってもホワイトアウトだ
予定どおり行くか 引き返すか 迷う
山荘の土間では 出発準備をする人たちで ごったがえしている
みんな緊張した面持ちだ
西穂高へ三回目の挑戦だという中年男性が 出発して行った
いよいよ我々も 意を決して出発することにした
4~5人の 初老グループの後に続いた
南側の 山荘からすぐの 岩山に取り付く
少し登って西側に廻ったとたん 強風が吹きつけてきた
なんと! 台風並みだ
さっきまで 風など無かったのに
強風で歩が進まない
一歩 一歩 岩の間を進んで行く
後ろを振り返ると 連れ合いのリュックカバーが 風に舞っている
元に収めて ひたすら風に耐える
頂上から帰って来る人と 数組すれ違う
大型リュックを背負った人に 追い抜かれる
それぞれ 声を掛けてくれる
ひたすら前に進むうち
周りが見えないので 気がつくと 頂上まで来ていた
強風は うそのように収まっていた
どうやら 西側から少し回り込んだようだ
ヤレヤレ 一息ついた これからは下るばかりだ
奥穂高の神社にお参りして “これから”の無事を祈った
しかし“これから”が 本番だったのだ
山荘の夕食時
岳沢を下ったことのある 中年の男性から
「岳沢の道は普通の道ですよ」と 聞いていたのだが・・
普通ではなかった しかも 雨の中だ
長い梯子 長いクサリ
それらが付いて無い個所は 「ウルトラ難度:C」 だった
古いかな ?
吊尾根を歩いているとき
追い抜いてゆく中年の男性が わざわざ 引き返してきて
「今は緊張しているが “重太郎新道”になっても 気を抜かないように」
と 言ってくれた
心配してくれて 本当にありがたい
お礼を言って 気を締め直す
岩場の 一つ一つを降りて “紀美子平”まで来た
少し明るくなったので 大休止だ
熱い紅茶に たっぷりの砂糖を入れた
とても美味しい・・身体が温まり 気持ちがほぐれた
ここから 前穂の山頂までは 登り30分だが
パスすることにした
また時折 小雨が降る
岩が丸くて グリップがきかない 滑らないように 慎重に・・
漸く 樹林帯になり 雲の下に出たのか
木々の間から
岳沢ヒュッテの 赤い屋根が見えてきた
でもまだ 気は抜けない 重太郎新道は結構荒れていた
ズルズルすべる道を下る
漸く岳沢ヒュッテに着いた やっと緊張から開放された
木の香のするヒュッテで コーヒーを注文した
ここでやっと 穂高岳山荘から持ち歩いていた “ほおばすし”を 食べた
予定の行程より だいぶん 時間オーバーしてしまった
これから 上高地までは 2時間だ
歩きはじめると 大粒の雨が
これが最後だというように ザーツ と きた
上高地から登って来ていた青年が
これはダメだと思ったのか 踵を返して下りていった
時間どおり 黄昏の上高地に到着した
歩いているのは 私たちだけだ
河童橋の上にも 誰もいない 夏の喧騒がウソのようだ
ホテルの窓には 灯がキラキラと華やかだ
ホットして 少しづつ 現実に帰っていく
タクシーで アカンダナ駐車場へ
今晩の宿は 新平湯温泉 「宝美館」だ
Recent Comments