笠ヶ岳から槍ケ岳 22年7月20日~24日
今回の登山は
岐阜県で一番高い山である 笠ヶ岳から
天を突くかのような ランドマークの槍ヶ岳へ 縦走した
~~~ スライド写真 ~~~
(登山1日目)
日本三大急登の一つ 笠新道は さすがにきつかった
新穂高温泉から 左俣谷に入り “笠新道へ”の標識があると
そこから急登が始まる
鬱蒼としたブナの樹林を ジグザグに上っていく
しばらく上ると 背後に
木々の間から穂高連峰が見え出す
穂高連峰を背に さらに登る
展望が開けた所に ベンチがあったので 休憩をとる
なおも 急登は続く
相変わらずの急登を登りながら
杓子平には あとどれくらいかな と思っていると
上から 滑るように降りてきた男性が 「これからが 核心部だ」と 言う
やはり 更なる急勾配になった
それが杓子平まで続いた
漸く 杓子平に飛び出て やっと一息
しかし これで平坦な道にはならない
杓子平は名の如く お玉の底から 縁に上がらなくてはならない
三人の男性グループは 疲れが出てきたのか
車座になって ビールで景気づけをしていた
やっとこさ 稜線に出た
やはり笠新道は 話に聞いていたとおり 長かった
でも登山道には たくさんの花が咲いていた
急傾斜なので 花が すぐ目の前に現れる
いつもなら見逃がしていた 小さな花にも出会えた
次はどんな花に出会えるかと 急登の斜面を 期待しながら登った
稜線に出たら 左に折れて 山荘へと目指す
雲で見え隠れする笠ヶ岳の鞍部に 山荘がチラッと見えた
もうすぐだと思ったが それからが長かった
ピークを越えても また前にピークが現れて
一度見えた山荘が なかなか現れない
やっと広いテント場に出ると 石積みで囲まれた山荘が
目の前に現れた
が そこで又 一休み
追いつ抜かれつしていた 単独行の青年も休んでいる
ここは皆な つらい所なんだな
辺り一面の ゴーロ石には
山荘への 誘導矢印と 「ガンバレ」の文字がペンキで書かれていた
さあ 最後のひと登りだ!
(登山2日目)
今日も快晴だ
今日は 双六小屋までの縦走なので
昨日のコースのことを思えば 気が楽だ
出発前に 空荷で 笠ヶ岳山頂へ行く
20分で到着だ
頂上は360度見渡せる
北には 昨年の夏に登った薬師岳がとても大きい
さすが 北アルプスの女王だ
その手前には
たおやかに裾野を広げて 黒部五郎岳がある
そして 東の目の前には
われわれが明日登る槍ヶ岳が 小槍を従えて
朝日を背に光っていた
後ろを振り向くと 笠の影が
頂上の足元から下って 黒く大きく 西の裾に伸びていた
下山後 小屋を出発
来た道を 傘新道分岐まで 戻る
昨夜同室だった夫婦は ここから 笠新道へ下って行ったはずだ
笠と小笠が バランス良く並んでいる
何度も振り返りながら 稜線を快適に進む
やがて 秩父平に差し掛かると
右手に大きく落ち込んだ カール状の雪渓が現れた
上って来る人が 雪渓のロープを伝って フウフウ言いながら
登ってきている
下って行く夫婦が 雪渓の淵を 恐る恐る降りている
ロープを使って 雪渓を下りればいいのに と 簡単に思った
が 近づいてみて そうはいかないと分かった
結構傾斜があるのだ
やはり我々も 解けた雪渓の淵を伝い
雪の上を難儀しながら降りた
漸く秩父平を過ぎて あらためて振り返って 仰ぎ見た
逆コースから来た人も これを上がるのかと
雪で覆われた秩父平を 見上げていた
弓折岳を過ぎ
やがて 左俣谷からの分岐を過ぎ 双六小屋へ着いた
昨年の秋
雨の中を 三俣蓮華岳から双六小屋に着いた時の
感じの良い 懐かしい山小屋だ
(登山3日目)
今日も快晴
今日はいよいよ 憧れの槍ヶ岳へ登るのだ
朝日を浴びながら
双六小屋の 直ぐ傍に聳える 樅沢岳まで上る
雲が稜線を越えて 流れて行く
登山道の雪は 未だ完全には解けていない
前の人の足跡を頼りに 幾つかの雪渓を越えた
やっと上部に出て 左俣岳を過ぎると
やがて西鎌尾根だ
槍の岩峰がだんだん近くなる
千丈乗越からは 槍はさらに近くなり
道は ザレた急勾配になる
右手下の谷を見ると 飛騨沢からのジグザグ道が
槍ヶ岳へ続いている
小さく見える登山者が ひとり ふたり
ボチボチと 登っている
こちらも一歩一歩 登ってゆく
いずれ着くのだから・・・
ペンキの目標点の岩に どれだけ近づけたかと
ときどき 上を見あげる
ひたすら黙々と上がっていく
ペンキの目標点まで来ると
更に勾配がきつくなり 四つんばいで登る
勾配が少し緩くなったころ
急にドーンと 槍 本体が目の前に現れた
それからまもなく 山頂直下にとび出した
万歳!! 到着だ
槍を見上げると 登っている人が少ない
今なら スムーズに登れそうだ
リュックを降ろして 岩に取り付く
最初のハシゴあたりまで来ると
前を行く男性グループが もたついている
停滞すると あっというまに渋滞となった
そのうち 男子高校の一団が追いついて来た
修学旅行なのか
若いから 皆な身が軽い
頂上に上がると 10人位既にいた
360度の展望だ
天気が良いので どの山も見えそうだ
写真を撮っていると
高校生がどんどん上がって来る
ゆっくり 感激に浸る間もなく 直ぐに下山にかかった
下山途中では 停滞している高校生たちが
中高年の下山スタイルを
まどろっこしげに 岩に寄りかかって見ていた
中高年のこちらとしては 少しでも道を空けてほしいところだ
下山して その日の宿泊を 直下の槍ヶ岳山荘にした
憧れの槍ヶ岳山荘だ
一度は泊まってみたいと思っていた
古いが 掃除が行き届いていて 歴史を感じる山荘だ
ところが
夕方になると 山荘の中は 大声の中国語 韓国語が飛び交い
とても騒がしい
そして バイオトイレは これが女子トイレ?と思うほど乱雑に使われていた
いままでに味わったことのない 山小屋風景だった
(登山4日目)
朝の頂上直下は 霧が掛かって 槍の山頂が見えない
きょうは 縦走も4日目となる 無理せず 槍沢を下ることにした
霧も晴れて
坊主岩屋で 振り返ると
槍と殺生ヒュッテが 青空の中に 存在感を示していた
流石 槍は 他の山と違って インパクトがある
大曲分岐を過ぎて 橋の渡渉を 上って来る夫婦に譲ると
その夫婦から声を掛けられた
在郷の山で よくわれわれを見かけると・・
夫婦は 今朝 徳沢から歩いて来ているという
情報交換して分かれたが
それにしても こんなところで 在郷の人に会うとは !
流石に 人気の山だ
2時30分に横尾山荘に到着
お風呂に入って 4日分の汗を流した
(登山5日目)
今日は上高地へ向けて 平坦な道を下るのみ
朝 部屋の窓を開けると
朝焼けに染まった穂高が 目に飛び込んできた
横尾山荘を出て
雪解け水がキラキラ光る 梓川を見ながら下った
下るにつれ
すれ違う登山者が だんだん多くなる
単独行の男性は「コレッて 穂高岳ですよね?」と指さす そして
「槍は後はどれぐらいで 着くのか」と聞く
「槍沢で 途中一泊しないと」と応えると
泊まらないで そのまま行きたい とのこと・・・
この辺りは緑陰で ルンルンで歩ける所だからいいが 暑いことだし
その内 分かるよ
徳沢まで下りると 辺はリゾート地だ
おしゃれな山小屋が 樹林の中に建っている
食堂では 優雅に 未だ朝食中のようだ
ロマンチックな山小屋の明かりを見ていると これまでの
自分たちの登山との ギャップを感じてしまった
明神池を経由して 河童橋を渡った
上高地は 多くの観光客で賑わっていた
バスターミナルから
タクシーで 新穂高温泉へ向かい 広島への帰途についた
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