北アルプス 雲ノ平
[登山1日目]
折立登山口・・・太郎平小屋・・・薬師沢小屋(泊)
[登山2日目]
薬師沢小屋・・・アラスカ庭園・・・ギリシャ庭園・・・スイス庭園・・・日本庭園
・・・黒部源流・・・三俣山荘(泊)
[登山3日目]
三俣山荘・・・鷲羽岳・・・三俣山荘・・・三俣蓮華岳・・・双六岳中道ルート
・・・双六小屋(泊)
[登山4日目]
双六小屋・・・鏡平山荘・・・ワサビ平小屋・・・新穂高温泉ゲート
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ほぼ一ヶ月前
夏山登山として 五色ヶ原から薬師岳に登り
折立の登山口に下山した
下山途中の 草原が印象的で
秋の 草紅葉も見てみたいと思い
今回は逆に 折立を登山口として
登ってみることにした
当初の計画では
高天原温泉・水晶岳・鷲羽岳・黒部五郎岳と周り
折立登山口に戻ってくる予定だった が
連れ合いの体調不良で コース変更した
これが結果的には 静かな雲の平と
槍・穂高の雄姿を見ることができた
(移動日)
広島から車で 700km
夕方5時ごろ 折立 無料駐車場に着いた
途中 ゲートがあり 早朝の6時から 夜8時まで開いている
通行料金¥1800/往復
今晩は寝袋で車中泊だ
トイレは清潔で 管理人が常駐している
夜中
車体を叩く雨音で目が覚める
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
(登山1日目)
朝になっても雨は止まない
雨を覚悟で出発準備する
コーヒーを飲んでいると だんだん空が明るくなって
小雨になってきた
6:00
サァ、出発だ!
・・・この時 車のルームランプを消し忘れていたのだ・・・
前回の登山で 折立へ下ったときは 疲れていたのと
上って来る人の多さに閉口して 歩きにくかった
しかし、今回 登ってみると 歩きやすい道で
1,870m地点まで なんなく上って来てしまった
11:00~11:45
太郎平小屋で昼食
なにか暖かい物がほしくて 温いうどんを頼んだ が、
“ヘリ”が来るので 手がとれないとのこと
カップヌードルなら 湯を入れてどうか と言うので
買って食べた
11:45
薬師沢小屋に向けて出発
沢に下って行くが 連れ合いの腹ぐあいが悪くなってきた
食べ慣れないヌードルか?
今朝食べた ぶどうが悪かったのか?
14:15
下ること 2時間
黒部川と薬師沢との合流点に建っている
薬師沢小屋に到着
曇っているせいもあって 小屋の中は暗い
今夜の宿泊者は12~3人
連れ合いは 夕食無しの素泊まりにした
私の方は 夕食時 白馬村のガイドさん二人と
同じテーブルとなった
話題は トムラウシ山の遭難と 映画「点の記」だった
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(登山2日目)
朝 連れ合いと自炊場で
コーヒーを飲みながら
このまま行くか 昨日来た道を引き返すか 話していると
山口から 単独で来ている娘さんが
話が耳に入ったのか 一緒に心配してくれる
窓の外は 谷が深くて空は見えないが
だんだんと 明るくなってきた
明るさに背中を押されて 行くことに決定
娘さんも 励ましてくれる
小屋から出て空を見上げると まっさおな空だ
テラスは 霜で真っ白になっている
今日は良い天気になりそうだ
6:00
黒部川に架かる 赤い鉄の吊橋を
霜で滑らないように こわごわ渡る
今日の登山は いきなり急な 下る梯子から始まる
これから続く ツルツル岩の登りを 暗示しているかのようだ
陽の当たらない 樹林の中の急登を
根っ子と 岩を伝いながら上る
季節がもう少し先だったら ここは 凍る所だろう
タイムを気にせず ゆっくりと行く
9:00
2時間半ばかり上ると 向かいに見える
昨日の 太郎平の高さまで上がってきた
稜線になると 木道になる
うっそうとした樹林から 明るい シラビソ疎林に出る
溶岩台地の 高原に出たようだ
最初の庭園は アラスカ庭園だ
木道を東に軽快に進む
もう お腹のことなど 気にならなくなった
木道を進んで行くと
ハイマツの間から 次々と山が現れる
左の山塊は 一と月前 風雨の中を登った 薬師岳だ
これは すぐに分かった
薬師岳は横から見ると なんと大きな 堂々とした山か
若し これから登るのだったら
大きさに圧倒されて 縦走を思い留まっていただろう
木道を更に 快適に行くと 水晶岳 槍ヶ岳
穂高 笠が岳 黒部五郎岳 ・・・右に左に前に・・
まるで 映像を見ているようだ
11:30
改築中の 雲の平山荘まで来た
高天原山荘に行くには ここで左折だが
ここで コース変更することにした
雲の平を そのまま真っ直ぐ進んで
三俣山荘に行くことにした
(これにより 高天原温泉、水晶岳、黒部五郎岳へ行くのは取り止め)
木道を歩いているのは われわれ二人だけ
途中 単独行の男性と 女性に一人づつ出会ったが
前にも後ろにも誰も居ない
贅沢な 景色の独り占めだ
登山者が少ないのは
ここまでの アプローチが長いのと
雲ノ平山荘が閉鎖中だからか
さらに木道を行くと ギリシャ庭園 スイス庭園 日本庭園と
名前が付いているポイントがある
借景には それぞれ黒部五郎岳 薬師岳 槍ヶ岳と
名だたる山が入っている
スイス庭園の右奥に グリーンの
五色ヶ原が広がっている
一ヶ月前の 五色ヶ原 スゴ乗越 北薬師と
薬師岳縦走の行程が思い出される
13:40
だんだん高度が上がって 祖父岳を左に回りこむと
赤い屋根の 三俣山荘が見えてきた
その後ろには 青空のなかに くっきりと
槍ヶ岳が突き立っている
やがて 黒部源流に向けて谷を下り 源流を渡渉する
14:30
渡渉点辺りは
北アルプスの もっとも奥深い所だが
想像していたより 明るい所だった
あちこちから 軽やかな谷川の水音がして
直ぐ近くに 田圃と茅葺き屋根でもあるような
どこか 懐かしい感じがした
15:20
谷を登り返して 三俣山荘に着くと
薬師沢小屋で一緒だった
親子二人連れと また一緒になった
こちら方面に来たのは われわれ 4人だけのようで
大半は 高天原山荘に向かったようだ
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(登山3日目)
昨日はあれだけ いいお天気だったのに
今日は一変して
雨と風だ
6:00
コーヒーを飲んで 空身で鷲羽岳へ登る
小雨の中 ガラ石の道を上る
リュックがない分 楽に登れる
予定通りなら 登山4日目に
重いリュックを担いで 水晶岳から来て
ここを下る筈だ
頂上に立っても 周りは白で 何も見えない
三俣山荘に帰って
食堂で 温いきつねうどんを食べた
今日は双六小屋へ行くだけなので ゆっくりだ
10:00
風と雨の中 三俣山荘を出発
風雨を避けて
三俣蓮華岳から 双六岳の中道ルートを通ることにする
双六山頂は残念ながら パスだ
14:00
到着した双六小屋では
宿泊者が少なくて 個室だった
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(登山4日目)
またまた 昨日とは打って変わって
朝から青空が広がっている
天気は毎日 日替わりメニューだ
昨夜は雪が降ったらしい
氷が張って 霜で高山植物も白くなっている
今日は新穂高温泉に向けて 標高差1,450mを下る
6:00
双六小屋を出ると しばらくは上る
双六小屋がだんだん小さくなる
小屋と鷲羽岳に お別れだ
稜線に出ると 朝日を背にした槍と穂高が 目の前に現れた
逆光で黒い岩壁は そのまま深く谷に落ち込んでいる
すっきりと立つ 槍ヶ岳が こちらに迫ってくる
モスグリーンの西鎌尾根が 槍ヶ岳への
登頂意欲をそそる
立ち止まっては 何枚も 写真を撮る
歩が なかなか前に進まない
すれ違う 登山者の挨拶は 皆 笑顔だ
昨夜の雨からの 天気の好転を喜んでいる
9:00~9:30
やがて 鏡平山荘に到着
ここでも うどんを食べた 700円だった
下へ降りるほど安くなる
双六山荘より100円 三俣山荘より200円安い
12:00
ワサビ平小屋で一服
長い下りの道も終わって ゲートを過ぎると
いよいよ 今回の登山も終了だ
13:15
ゲートから一軒目の建物
ホテル ニュー・ホタカに 「日帰り入浴 500円」とある
寄って これまでの汗を流すことにした
かけ流しで とてもいい湯だった
ユニークな支配人に タクシーを呼んでもらった
折立までは 2時間だ
連れ合いが風呂で一緒だった 鈴鹿からの単独行男性を
近くのバス停まで送り
これまた
ユニークな運転手さんの楽しい会話で あっという間に 折立に着いた
運転手さんは 65歳で
TVサスペンスドラマにも 出演したことがあるという
もちろん 運転手役で
タクシーが帰って行ってから 気が付いた
我が家の車の バッテリーが上がっているのを
携帯電話も繋がらなくて
今晩 ここでもう一泊か・・と
思っていたら
キャンプ場の管理人さんが
自分の車を寄せて エンジン始動をしてくれた
「親切な管理人さん ありがとう!」
さあ これで 家へ帰れる
いざ 広島へ!
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