金刀羅宮の書院
金毘羅さんへ行った
未だ今年になって 何処の神社にも
お参りをしていないので
初詣になるのだが
お目当ては 書院の障壁画を見ることだ
この度 金刀羅宮の
文化ゾーン完成を記念して
表書院 奥書院 白書院が
公開されたのだ
通常は非公開の奥書院で
伊東若冲(いとうじゃくちゅう)の「花丸図」
岸岱(がんたい)の「群蝶図」が
まじかに観られるのだ
これまで本宮には 何度もお参りしているが
いつも書院の前は素通りしていた
奥書院は 別当が生活していた建物だという
はじめのころ 奥書院の部屋 全て
“若冲”の障壁画が描かれていたが
生活することで痛んでしまい
80年後に “岸岱”が若冲の「花丸図」を
残して 全て描き替えてしまったという
何と贅沢な部屋で
過ごしていた別当さんたちでしょう
岸岱の「群蝶図」は群れている蝶々が
金色の壁の中で ひらひらと舞っていた
蝶はいろいろの種類が描かれていて
生物学的にも 正確な描写だという
この間の秋の比婆山で見つけた
アサギマダラはいないかと
目を凝らして探してみた
さらに驚いたのが 伊東若冲の「花丸図」だ
この時代 1764年の江戸時代に
まるでヨーロッパの
壁紙のような
デザインで描かれている
壁や襖の金箔の上に 身近な花々が
力強く咲いている
ぐるっと見回すと
暗めの自然光のなか
金地に花が浮かび上がって
幻想的な部屋だ
菊 桜 杜若(カキツバタ) 牡丹(ボタン) 辛夷(コブシ) 蓮の花も
向日葵(ヒマワリ)も描かれている
風車(カザグルマ)大山蓮華(オオヤマレンゲ) も・・・
当時は身近なところに咲いていたのだろうか
今では 大山蓮華は
苦労して 高山まで登って行かないと
出会えない花となってしまっている
風車は 今はもう 絶滅種だ
因みにクレマチスは
中国を原産とするテッセンと風車を元に作られ
シーボルトによって 日本から西洋にもたらされたという
表書院では 江戸時代を代表する絵師の
丸山応挙(まるやまおうきょ)の「遊虎図」や
邨田丹陵(むらたたんりょう)の「富士山図」を観た
明治の洋画の先駆者 高橋由一(たかはしゆいち)の
油絵は素晴らしかった
高橋由一館には 又来よう
この後 本宮にお参りして さらに上の
奥の社へ行った
1368段の石段を上がると こじんまりとした
朱塗りの社に着いた
ここまで上がって来る人は まばらだ
日陰になっていて
冷気が 登って火照った熱気を
さましてくれた
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