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August 2007

August 06, 2007

南アルプス 光岳(テカリダケ2591m)・聖岳(ヒジリダケ3013m) 縦走

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(クリックで拡大)

初日
6:00AM 我が家出発
前夜聞いた予報では 梅雨明け宣言は 東海地方まで
これから向かう信州の方は未だ 明けていない

今回登る南アルプス光岳(テカリダケ)と聖岳(ヒジリダケ)は
反時計に廻るコースだ
登山口が易老度(イロウド)と便ケ島(タヨリガシマ)でそれぞれ極近い 
どちらから登るか迷った末
あえて 登山口から最初の小屋までの距離が長い
易老度コースを登りにすることにした

飯田ICを下りて 雲行きが怪しい中
林道赤石線に入った
遠山川が削った谷は深く 車は山の際を
くねくねと登る
シラビソ高原方面へは 土砂崩れで通行不可能とある

山際にへばりつくようにして
家が建っている
この当たりは下栗の里の集落だ
住めば都というけれど 人はどんな所にも
安住の地を得るものだな 

中部電力の変電所まで来ると
急に雨が降り出した
ものすごい雨だ
ワイパーが間に合わない
雷も鳴っている 
上の方からワゴン車が2台 
ゆっくりと連なって下っている
離合の為 退避場所で待つ
下山した登山グループを乗せた タクシー会社の車のようだ

マイカーは車体の腹を打ちながら 悪路をゆく
ガードレールは 落石が当たるのか
どれもぐにゃぐにゃだ
これから先どうなるのか不安がよぎる

今回の登山口になる 易老度まで来た
易老度へ下山している数人が 
なすすべもなく 傘をさして立ち尽くしていた

トンネルの中に避難している夫婦もいた

5:00PMImg_0322_2
便ケ島着
やっと雨が小降りになり 雷も止んで やれやれだ
無料駐車場には 車が十台ぐらいとまっている

キャンプ場の建物に車を直接横付けした
今夜はここで車中泊だ
トイレは立派な水洗だ

キャンプ場使用料を一人当たり 500円
払った

登山1日目
5:00AMImg_0349_edit0011_3
明るくなったので 登山口の易老度へ向け出発
昨日車で通った林道を 40分ほど下る
小さい鉄橋が掛かっているところが易老度だ

橋を渡ると直ぐに急登が始まる
稜線の易老渡分岐まで 3.5KMで1500mの標高差だ
黙々と登る
途中光岳から下って来た グループと
出あったが かなり疲れた様子だった

ここは下るも上るも地獄だ

雨が降り出し雷も鳴り出した
回りが暗くなり 直ぐ頭の上で 
ピカツ ゴロゴロと鳴っている 
樹林帯なので かまわず進んだ
雷は11時頃まで 続いた 
まるで 雷さんに見守られているかのようだった

下って来ている人の話だとDscn82680003_3
登っているのは我々ともで 6人のようだ

そのうちの一人で 
休んでいる男性に声をかけると 
雨と雷で ピッチが上がらないと 
大分へたって居る様子だ

光小屋に3時までに到着した者のみ
食事の用意がある とのことを言うと
急に元気が出たようで われわれの前から
あっというまに 姿が見えなくなった

11時40分 やっと易老度分岐に
たどり着いた
それからは 急登はないが ゴウロの谷があり
3時間弱の道程Dscn82370001_3
光小屋が 草原の向こうに見えたときはうれしかった

この後 振り返ってみると 案の定
この区間が一番辛かった

光小屋では 薪ストーブを焚いていた
宿泊者は12~13人ほど
小屋の主人は人当たりのよい 優しい感じの人だが
決まり事には譲らないで きっぱりとしていた

清潔で明るく 食事の美味しい小屋だったDscn82280002_3

登山2日目
5:00AM
今日は茶臼小屋までの 休養コースだ
朝 荷物を置いて 15分で光岳へ
さらに 10分で光石へタッチしてくる

光岳は名のごとく 
朝日が当たっていたが 光石は光っていただろうか

7:00AM
光小屋に帰って コーヒーで一服

一杯400円也
茶臼小屋に向け出発
雲一つない真っ青な空だ
これで梅雨が明けたようだDscn82240001_3
逆コースで 光岳に向かう登山者とすれ違う
みんな挨拶は”良い天気になりましたね”と明るい

仁田岳(ニッタダケ2523m)が木々の間からくっきりと見える
山頂に登っている人が数人いる
我々も喜望峰に荷物をデポして行ってみた
360度の展望で これから向かう聖岳が
手招きしているようだったImg_04600012_2

展望の良い稜線を行く
アップダウンが無く 標識があると思ったら
茶臼岳山頂(2604m)だった
山頂の岩間にタカネバラが咲いていた

更に進み 分岐を右に下ると茶臼小屋だ
今日は昨日の疲れが残っているが
ラクチンの展望コースだったDscn83190004_3

茶臼小屋は畑薙(ハタナギ)までの林道が不通の為
北からの縦走コース組と 我々光岳コース組しか
宿泊していなかった
いつもは賑わう山小屋なのだろう
トマトを山水で冷やして売っていた
1個300円也
目の前に富士山がくっきりと立っているDscn83230005_3
明日の弁当はいなり寿しだ
好物なので二つ頼んだ

登山3日目
4:30AM
今日は聖岳に登る日だ 頑張ろう!
まだ 暗いうち 玄関で準備していると
隣の寝袋で寝ていた 縦走12日目の若者も
二階から降りてきた
今日で畑薙に下りると言っていた

この時間から出発するのであれば
聖岳は楽勝だとお墨付きを貰った

朝の曙に黒く くっきりと浮かぶ富士山を
見ながら 聖岳に向かう
西に目をやると 昨夜の満月が群青色の空に
未だ輝いていた

ザレ場から草原に出て また岩場をどんどん上る
上河内岳の肩まで来たが メインの聖岳が気になり
パスする
目の前の聖岳が迫って来るDscn83690006_3

遥か下に赤い屋根の聖平小屋が見えて来た
今度は お花畑を過ぎてどんどん下る
目の前に見えていた 聖岳が見上げるような所まで
下りて来てしまった

9:00AM
聖平到着
ここは聖平小屋と聖岳への分岐だ
聖岳方面から 例の 光小屋に3時までに到着のため
ピッチを上げた男性が下りて来た
光小屋からは 一気に茶臼小屋をとばして
聖平小屋に泊まったそうだ 
これから聖平小屋に戻り
椹島(サワラジマ)へ下りるという
我々に荷を軽くして上るよう アドバイスして下さり
お互いの健闘をたたえ別れたDscn8386_edit0007_3

ここで 茶臼小屋のいなり寿しで腹ごしらえだ
シャリがしっかり詰まっていて 
油揚げの汁が出ないように配慮してある 
とても美味しかった
下界でも売っていたら 買いに行きたいくらい
気に入ってしまった

10:00AM
荷物をデポして 聖岳へ向かう
明日下山する分岐の薊畑(アザミバタ)を過ぎ
森林限界を過ぎると 小聖岳だ
左に兎岳 正面に聖岳が迫る
ガレ場をジグザグに急登するDscn83990008_3

雲の無い東の空に 富士山がすっきりと立って
裾野まできれいに見える
やはり3000m級に上ってきているということか

頂上に立つと 西の方は 薄い雲がかかっている
風もだんだん強くなっている
台風5号の影響か
美しい富士山の姿を脳裏に焼き付け
頂上を後にするDscn8422_edit0009_3

3時前 聖平小屋に到着 
持参の食料を片付けるため
素泊まりを申し込んだ

素泊まり専用の小屋は新築で 今年が初使用だ
木の香りがして 気持が良い

小屋には我々を含め 5人が宿泊だ
ほかの3人は男性で いずれも

山を愛する静かな人たちのようだ

この聖平小屋も いつもなら多くの宿泊者で
賑わうのだろうが 林道通行不能で
今夜は自力で来た人たちだけだ

テント場も5~6張りで 静かな山小屋風景だった

登山4日目
5:00AM
今日は便ケ島(タヨリガシマ)へ向け下山するのみ
出発しようと思ったら 雨が降り出した
今日は聖岳も見えない
薊畑から樹林に入り どんどん下る
この当たりは易老岳周辺と同じ シラビソの
手づかずの森だ

"便ケ島まで1/2” の標識が出てくると
更に急降下となる
こちらのコースも登るとなると 大変だ
すれ違う登山者は皆な寡黙だImg_0631_edit0013_3

やがて 西沢度(ニシサワド)に到着 
ロープウエイが錆びていて 籠が小さい
アレッ! と思い 下流を見ると アルミで
立派な二人乗りの籠が見えた

聖岳山頂で一緒だった 

福岡からの 3人グループが先客だった
われわれ二人をさきに乗せてくれて 
ロープで引っ張るのを手伝ってくれた

心配していた沢渡りはあっけなく済んだ

3人はゆっくり休んでいる様子だったので

対岸から手を振って別れた
博多弁がやさしかった

40分歩くと マイカーが待つ
便ケ島に着いた
所用時間) 一日目・・9時間30分 二日目・・8時間30分 三日目・・10時間 四日目・・5時間40分
どこまでも ホントウニよく歩いたものだT_img_0632_edit

スライド写真

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