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June 2007

June 30, 2007

屋久島は梅雨最中

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梅雨最中の6月の下旬 屋久島へ縄文杉を見に行った
島ではひと月35日も雨が降るというから
普段も梅雨時も変わりがないだろう・・・と

その雨はと言えば 
登山口に向かう暗い早朝 
降り出した雨が 車のライトに浮かんだ
雨の一粒一粒が 
ずーっと 長い一本の線で繋がっていることに 

まず驚いた
これは"安藤広重”の浮世絵 

「東海道五十三次」に出てくる

雨の状況ではないか !

5:45am 荒川登山口
雨の中
既に日が昇っている頃なのに 辺りはまだ暗い
駐車場には 7~8台の車が駐車している
誰も恨めしげに 空を見上げながら
黙々と準備している

大半の車が案内人同伴のようだ

案内人も客も 若いということで
いたって軽装 
なかには ビニールかっぱに スニーカーという人もいる
完全装備しているのは我々ぐらいだ

完全装備の上から 十円玉のような雨が打ちつける
まるで打たせ湯だ
連れ合いは肩こりがほぐれたと言っていた

トロッコ道に進んで行く
すぐに手すりのない橋を渡る
足元の 枕木の間から見える安房川は
白く泡立ち ドウドウと音を立てて流れている

枕木の端は 苔が付いているのか 滑る
真ん中を慎重に渡る

一時間で小杉谷集落跡に到着T_cimg4383
ここは昭和45年まで 
林業に携わる人たちが 住んでいた所だ
小中学校跡に休憩所があるが トイレはない

そのままトロッコ道を進む
8時頃 少し風が出てきて雨が止んだ
ときどき日差しもある

耳を澄ませば トラツグミが鳴いている
近くでは オオルリやコマドリが鳴きだした

鳴いている "屋久島タネコマドリ”は留鳥だ

楠川別れに到着
当初の計画では 白谷雲水峡から入りT_cimg4393_edit
辻峠を経て ここに到着の予定だったが
雨のため変更した
変更してよかった 上から降りて来る登山道は沢のようになっている

濁流の川に掛かる橋は 大小含めて約20ケ所
最後の橋を渡ると 立派なトイレと水場がある

ここが 大株歩道入口だ

トロッコ道はここで終わり 

登山道に入る

かなり急登だ 
また降り出した雨は 時おり止むが
風が吹くと 木が揺れて 
大粒の水滴がバラバラと落ちてくる

回りには数千年の大木が現れ出す
根っこをまたぎ 花崗岩の道を進んで行く

根を痛めないように 木段が現れる
滑らないように気をつけながら
周りの大木を見る

"翁杉”が現れる 命名に感心するT_cimg4403
やがてお目当ての"ウイルソン株”に到着

苔むした 台座のようになってしまったウイルソン株は
開いた大きな口をこちらに向けている
なかへ入ってみると 清水が涌いて流れている
上を見上げると 空がハート形に見えた

ウイルソン株が生きていた頃は どの位の高さだったのだろうか
当時 年貢米の代わりとして 平木2310枚が一俵とT_cimg4405_edit して
収められたそうだ

途方もない税の過酷さだ

さらに急登の木段を登る
大王杉 夫婦杉が現れる
それぞれ樹齢3000年と2000年

現在生きている この大木たちは T_cimg4432
今までに 何十万回の夜を迎え 
何十万回の昼を迎えたことだろう
そして今 目の前の賑わいを何と思うだろう

ここから木段は 沢があるので上ったり下りたり
縄文杉まで 沢は17ヶ所あった

最後の木段は 縄文杉のデッキへと続いていたT_cimg4439

縄文杉は近年になって 1966年に見つけられたという
樹齢7000年と言われているが
樹肌に艶があり 大王杉より若く感じられた
しかし 縄文杉とデッキが離れているためか
あまり大きく思わなかった

縄文杉から 片道10分のところにある
旧高塚小屋まで行って トイレを使った
「超」原始的なトイレだった

お金を取られてもいいから トイレを整備してください

雨は相変わらず降っている
10人も座れない 木段の付いた小さな東屋で 弁当を食べた
入りきれない人は 外で雨にぬれながら食べていた

ペンション"Sea Forest”の奥さん ここもなんとかしてください
(奥さんのご主人は 登山道を整備する土建業を経営)

11:40  下山開始
足元に気をつけ 滑らないように下山する

大株歩道入口まで下りると 橋の下の流れは
午前中より さらに水量が増して
怒涛のように渦巻いていた

トロッコ道に入ると 枕木が水没して水浸しだ
やはりこんな梅雨時 来る人は少ない

我々の前後は 案内人に連れられた 2~3人が
ただひたすら歩いている

一気に 小杉谷まで歩き
荒川登山口には 4:15到着

雨の中の 全行程10時間半だった
大量の雨に逢ってみて 

ほんの少しだが
特異な島の自然が 
判った気がしたT_dscn8086

次の日 休養日として 車で島を一周
温泉の露天風呂から大海原をみた
海は青く輝き 
水平線は飽く迄も 水平に続き 
高く青い空は
白い雲が浮かんでいた

振り返ると モッチョム岳がすっきりと立っていた Dscn8116_3
時々白い雲のベールをまといながら
海に向って 

これから来る夏を
呼んでいるかのようであった

次の次の日 
宮之浦岳登山の予定だったが・・ また 出直します

(クリックで拡大)

     グンバイヒルガオT_dscn8124_2

   

     クワズイモ

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  T_dscn8100   ガジュマル       

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