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October 2006

October 22, 2006

念願の祖母山(ソボサン 大分県 1757m)

十年前のこと 百名山に登山したのは 大山だけだった頃のこと
祖母山に登りに行こうということになった
車で出発したのが よりにもよって入梅の日だった
降りだした雨の量が 車のワイパーが間に合わない位だった
登山はトーゼン取り止め
その晩は高千穂で夜神楽を観た

それで・・・十年後のリベンジ!T_cimg3118_edit
祖母山の由来は 
神武天皇のおばあさま 豊玉姫(トヨタマヒメ)が頂上に祀られていることから
名づけられたと言う

6:00am
"ほしこがinn尾平” 出発
黒金尾根コースを登る まだ日が昇っていない
駐車場で車中泊している 山口の宇部から来た夫婦も 同じく祖母山へ
私たちの前を歩いて行く
川を右に見ながら 一つ目のつり橋は下をくぐり 二つ目を渡る頃から
この登山道は天然の道で あまり手が加えられていないことが分ってきだした
そうとなれば 分かれ道など 気を入れて行かなければいけない
登山口から一時間半
沢を離れて急登を登りだす
尾根の"天狗岩”の下まで来ると"天狗の水場”がある 
水を汲んで行く 飲んでみた 美味しい水だ
さらに登っていくと展望台が4ヶ所あらわれる 
天狗別れと 裏谷岩鼻の展望は 紅葉が絶壁の足元から広がり すばらしかった
もう一息で頂上かと思いきや ハシゴが現れた アルミのハシゴを登ると
今度はハシゴと岩 それから 岩だけと だんだんと難度が上がっていく 
そして頂上直下 最大の難所の岩が現れた
足が短い者には 足場となる岩の窪みに 靴が届かない 
このコースは 降りるには向いていないと書いてあったが ナルホド 納得した
へばりついて やっとのことで登った
岩場が終わって 躍り出たところが頂上だった

頂上は少し開けて平らだ 
豊玉姫(トヨタマヒメ)の祠があるT_dscn7050_edit_1  
良い天気なのに 霞んでいるので眺望はない
周りの山は "大障子岩”が見えて 遠くにうっすらと”傾山”が見えた
他の山名はよく解らない
先ほどの夫婦がすでに登っていて おべんとうを食べている

昨日のこと 我々が祖母山に登ると聞いて「スゴイ スゴイ」と言っていたのだが
我々の年恰好と比べたら "ちから”が湧いてきたのか(7,8歳若めだ)
それまで予定していた"古祖母”登山(往復3時間半)をこちらに切り替えたのだ
・・・登山力は 実年齢ではナイノダヨー・・・
とは言うものの その夫婦 また元気に先に降りて行った

下りは 宮原・尾平コース
九合目小屋の下あたりは紅葉がきれいだったT_cimg3160
殊に つつじの 細やかな葉が紅に染まり 黒い岩にいろどりを添えていた
降りるにつれ 紅葉は 紅からオレンジ 金色から黄色そして淡いグリーンに 
風に揺れるミドリの楓の林は 静かに時を待っているかのようだった 

2:30pm
登山口に下山

宿に帰ると 本日は休館日となっていて「屋外のシャワーを お使いください」と張り紙がしてあった
五右衛門風呂の隣にあるシャワーを使わせてもらい さっぱりした
ほんとうに助かった
それからコーヒーを沸かし 静かな"校舎"をゆっくりと眺めた
4:00pm
日が傾きかけた"ほしこがinn尾平”を後にした

この度の宿にした"ほしこがinn尾平”は 
かって 尾平鉱山が栄えていた頃(人口3000人)の校舎を 宿泊施設にしたものだT_cimg3116_edit

ヨーロッパのリゾート地を思わせる オシャレで立派な木造建築だ
これが40年前に 廃校になった小・中学校の校舎だったとは
有名な建築家がデザインしたものだろうか 
さすが三菱財閥と思わせる
白の漆喰に こげ茶色の木のコントラストがいい
中に入ると 木部はすべて無垢だ
木の暖かさと重厚さとが 気持ちを落ち着かせる

昔 自分たちが通った木造校舎は これよりも ずっと粗末な建物だったが 階段のてすり等 懐かしい
男子はみんな これをまたいで 滑って降りたものだ

校舎で学んだ最後の卒業生は もう五十歳半ばになっているはず
この場所は良くも悪くも 自分の歴史の原点に帰れる所ではないだろうか

宿の応対は 爽やかで親切 
食事もたっぷりで 鳥肉がとくに美味しかった
部屋はもとの教室を改造し 広々とした洋風の造りに 
畳が一段高くしてある
清潔で インテリアと照明が工夫されているのか ホテルのようだ 
部屋から廊下に出ると モダンジャズが小さな音色で 流れている
その空間で音色にひたると 私たちも少しオシャレな自分になったような気がした 

(写真 クリックで拡大)  

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October 10, 2006

火打山 妙高山 雨飾山

ヒウチ ミョウコウ アマカザリ どれも響きの良い山の名だ
以前から行ってみたい山と思っていた
つい先ごろ いつも近くの山に登っている山仲間が 近々ツアーに参加するというのを聞いた
私たちも急に行ってみたくなり 山仲間には悪いが 抜け駆けすることにした
いつものように車で 山陽道 中国道 名神 北陸道 上信越を走って妙高高原へ830KM
池の平温泉郷 KKR白樺荘に泊まる 

9月29日 登山第一日目
笹ヶ峰登山口から火打山へ

6:30am
木道を歩き出すと回りはブナ林だ
これから日に日に 色づいていくのか 
風も無い静かな森の中を しばらく歩くと 十二曲がりの急登だ
この急登は長いけど 十二あるのかなとフウフウ登っていると やはり
標識は登り終えた所に立っていた
そこからは明るい尾根に出た さらに登って
高野池ヒュッテは まだかなー と思っていると
登山道の真ん中に 濃い緑色の大きな糞のかたまりがあるのをみつけた
どうも熊のものらしく 慌てて鈴をだし 鳴らして歩いた
動物にとって 人間が歩く登山道は不浄の場所なのか
今までも何度か 猿やその他の動物の糞を見かけたDscn6846

やがて高野池のほとりに建っている"高野池ヒュッテ”が現れた
まさにメルヘンだ 草紅葉の池糖 オオシラビソの緑 オレンジ色や 紅に染まったナナカマド
その中に とんがり屋根の小さな山小屋
これは 観光パンフレットにのっている風景だCimg2980
リュックを小屋に置いて 火打山へ
途中 これまたきれいな 「天狗の庭」が現れた
言葉で言い表せない程の美しさだ 
神様はなんと美しい風景を作られたのか
立ち止まってばかりもいられないので 歩を進めて火打山へ
登りながらも 数歩ごとに天狗の庭のアングルが変わっていく
そのたびに シャッターを切った
火打山の頂上に上がってみると ガスで何も 見えなくなってしまっていたCimg3047

その晩泊まったメルヘンの山小屋は 清潔で応対もてきぱきとしていた
夕食の バイキング式のカレーとハヤシライスが美味しかった
初めての山小屋泊という 千葉からの夫婦と隣あわせた
我が家と同じく 愛犬を残して来ているという
夜中 雷かと思って目を覚ましたら 千葉のご主人のイビキだった
今まで山小屋でいろいろイビキを聞いてきたが
今回のが一番だった  (うちの主人のは何番?)

9月30日
登山二日目 妙高山へ

4:00am
ご夫妻を起こしてあげて
5:15am
妙高山に向けて出発
千葉の夫婦とコースが同じなので一緒に歩くことにした
が 夫妻のほうがペースが速い 
明るくなったころ 先に行ってもらうことにした
下山路の赤倉スキー場のゴンドラ駅で もし会えたら
笹ヶ峰駐車場まで タクシーをご一緒しましょうと 約束して別れた
妙高とは・・・いうに言われぬほど高い山 とはよく言ったもので
目の前に立ちはだかる山は岩をよじ登る直登だった

9:00am
頂上到着Dscn6921_edit0003
ここで千葉の夫妻に追いつくことが出来た
しかし 彼らは 先ほど登ってきた道を 黒沢池ヒュッテまで引き返し 富士見平経由で駐車場へ帰ると言われる
頂上からは下り五時間のコースだ なかなかの健脚である
登山口の 笹ヶ峰駐車場での再会を約束して別れた

頂上からは 青空に北アルプスの山々がくっきりと並んで見えた
土曜日とあって 若い人達も登ってきていた
下りは天狗平までハシゴやクサリもある急斜面だ
登ってきた北斜面がきついと思ったが
南斜面も登るとなれば たいへんだ

予定どうり大谷ヒュッテを経て 赤倉登山道 それから スキー場のゴンドラに乗り 赤倉温泉に降り着いた 
ゴンドラの売店で 場所を教えてもらった銀明荘へ行き 手打ちそばを食べた
そこで呼んでもらったタクシーで 笹ヶ峰駐車場へ行くことにした
出る間際 ご主人からリンゴと そばせんべいを みやげにと 頂いた
赤倉温泉街も スキーシーズンだけではなく オールシーズンを狙っているとか
手打ちそばは息子さんが五年前から始めたそうだ
天ざるそば 美味しかった  ¥1050-也

2:50pm
笹ヶ峰駐車場 タクシーで到着
笹ヶ峰駐車場には まだたくさんの車が駐車していた
まわりを見回したが 千葉の夫妻の姿は見当たらない
足が速い夫婦なので もう帰って行かれたのか

明日登る雨飾山の登山口は 小谷温泉 「雨飾荘」だ

ここから我が家の車で移動 
近道の林道を通って 新潟県から長野県へ 一時間で小谷に到着

小谷温泉は今回で二回目
前回は 栂海新道縦走を終えて 泊まった宿が山田旅館だった
黄金の湯が ドーッと音をたてて 天井から落ちてくる
昔ながらの湯治と 障子で仕切られた部屋 

また泊まりたいと思ったが 残念ながら今回は満員だった

10月1日
登山三日目 雨飾山へ

雨飾山は栂海新道縦走の時 雲海に浮かぶ独特の姿に いつかは登りたい山だと思っていた

5:45am
登山口駐車場は すでに半分以上うまっていた 観光バス二台もとまっている
今日は日曜日なので登山者が多い
我々の前後 少人数グループが歩いている
木道が終わると すぐに急登が始まる
追いつ抜かれつとなり いつもの自分達のペースがつかめない
はしごやロープのところに来ると 前を行く団体グループで しばし渋滞がおこる
ようやく笹原の台地 ”笹平”へ出た 
ぐるりと周りの山々が見渡せる 頂上はもう目の前だ 
笹原の道は頂上まで続いている その道を赤や黄色 白のヤッケ姿が続いている

8;40am 頂上着Dscn6959_edit0004
頂上からは 北アルプスの山々から槍ヶ岳までみえた
標識の前で記念写真を撮ろうとするが 
次から次へと登ってくる登山者でワンショットを撮るのも一苦労
早々に人口密度の高い頂上から降りることにした
下りでも しばしば渋滞
ガスがかかってきた 時計を見ると9時30分
雨飾山が晴れるのは10時までという まさに雨がぴったりの名前だが
今日は雨は大丈夫だろう

登りの時は周りの木々を見る余裕が無かったが
下山しながら見回すと ブナの大木が林立している
東側の天狗原山も全山ブナの純林だ
まだ少ししか紅葉が進んでいないが 全山紅葉するとどんなだろうか
いつかまた来て 見てみたいものだ

下山後 お願いして 雨飾荘でまた温泉を使わせてもらった 
コックさん手打ちの 新そばを食べて
雨飾荘  2:00pm 出発
我が家には次の日の 1:00am 到着でした
 

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