平成17年 北アルプス登山記(栂海新道へ)
昨年のこと 北アルプスの蓮華温泉から
朝日岳~雪倉岳~白馬岳~白馬大池~蓮華温泉へと
廻るコースを歩いた
その時 通った吹上げのコルで「ここより日本海へ」
と 赤い矢印が印象的だった
そこでこの度 9月27日に 蓮華温泉に泊り
28日に朝日小屋に泊まり 栂海新道に入った
朝日小屋~朝日岳~栂海新道分岐~サワガニ山~犬ヶ岳~栂海山荘
栂海山荘~菊石山~白鳥小屋~坂田峠(タクシー)~蓮華温泉
昨年歩いた 朝日小屋までの カモシカ坂 五輪尾根は
覚悟していたものの 2日目に 再び朝日岳から
栂海新道の分岐を過ぎ それから先のことは
知らぬが仏とは こういうものかと
今になって思う
栂海新道に入って暫くは 朝日に輝く池糖と
草紅葉の美しさに 自分達がこの風景が
見られるという 運のよさに 喜々として
幸せ感に浸っていた
トコロガデス! アヤメ平を過ぎたころから
足元がぬかるみ始め それが過ぎると
今度は上り 下りの連続
いくつの尾根を越えたことか
幸いガスが掛かっていたので 前方の
越える尾根しか 見えなかったものだから
騙され 騙され進んだ
初氷が張った朝 5時30分に出発して
栂海山荘に着いたのは 午後の4時30分
疲れた足をやっと 無人小屋に長らえることができた
よくぞここまで来たものだと
遥か 来た方角を眺めると 夕闇に山は
黒々と連なっていた
栂海山荘には先客が一人いて
元気溢れる二十代の男性だった
お互いに 今まできた道の情報を交わし
私たちは明日に備えて 食事 足もみをして
7時30分就寝
食事は疲れすぎたのか あまり食べられなかった
次の朝 29日も良い天気
若い男性は 朝日小屋に向けて 5時に発っていった
私たちは体操などをして 6時出発
昨日聞いていた 「ただ下りるだけですから」は
白鳥小屋から先のことで 自分達に都合の良いように
聞いていたようだ
たしかに下りには違いないが
昨日に増して 更に厳しい白鳥小屋までの行程だった
胸突き八丁等もあり 兎に角 目の前に
立ちはだかる 山を上り 下り
這って上り また 下った
恐る恐るのやせ尾根もあり
やっとのこと 上りきったところに
白鳥小屋は現われた
きれいに使われている小屋で そこで昼食
あとは 本当に下りるだけだ
タクシー会社に携帯も繋がり
この下にタクシーが待っていてくれると思うと
お粥がとても美味しかった
さて出発して 下り始め暫くは緩やかだったが
「金時坂の頭」 からどんどん下って
そのあと また 急降下 急降下 と
ずっと続いた
くたびれた足が つまずいて
転ばないように気をつけた
下りながら これまで 栂海新道に入って
すれ違った三人の男性 「よくぞこれを登ってきたものだ」
と 何度も声に出してしまった
栂海山荘で一緒だった青年は これを
余裕で登ってきた 様子だったので
今日はきっと 朝日小屋には早く着いているだろうなと
思った
やっと林道が下の方に見えてきたので
後ろを歩いている主人に 大声で呼びかけた
すると 待ってくれているタクシーの運転手さんが
クラクションで応えてくれた
白鳥小屋から 2時間20分
下りついて 「天の助け」と言うと
運転手さんの顔が丸く笑っていた
運転手さんは75歳 今もスキーを楽しんでいる
65才まで一人で アルプス登山をしていたそうな
我が家の車が駐車している 蓮華温泉まで
行ってもらう事になり 途中 いろいろ
観光案内をしてくれた
謡曲 「山姥」の地 親不知 栂海新道先端登山口など
世間話や 朝日小屋のゆかりさんの 話などをしていると
あっという間に 蓮華温泉に到着
午後4時30分
それから 我が家のオデッセイに乗り
小谷温泉の 山田旅館に
途中 お世話になった 朝日小屋 女主人ゆかりさんに
美味しかった お弁当のお礼の電話をした
私たち夫婦が無事に下山したことを
喜んで下さり 栂海山荘で一緒だった
若者からも 私たちのことが 伝わっていた
この度の山行きは 実りあるものだった
苦しいとき 楽しいとき いろいろあったが
全て気持ちは 自分自身にあるということが
良く分かった
心の支えは いつも Dr.Nojima でした
ありがとうございました
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Comments
aozoraさんご無沙汰でした
実は8月のはじめにPCの不具合でそれまで写した写真ファイルを消してしまいました
aozoraさんのブログURLも消えてしまって、今日Yahooの検索でようやくここにたどり着きました(^^ゞ
栂海新道の大縦走読みましたよ、凄いことを成し遂げたのですね、お疲れは残っていませんか
来年は私も祖母山~傾山への縦走を成し遂げたいと思っています
昨日は大船山に登ってきました、珍しいブロッケン現象にも遭遇しました「きまぐれ日記」にと記事を載せています、宮崎県の大崩山にも登ってみたいと思う今日この頃です
Posted by: きよちゃん | October 13, 2005 10:53 PM
きよちゃん こんにちは
yahoo で検索までして お訪ね下さりありがとう ございます
「蛍の里から掲示板」は欠かさず見てます いつのまにか 私の一日の生活の一部になってしまいました
ブロッケン現象が実によく撮れていますね 家内が昨年五竜岳で出会ったのですが 目で見えたほどには デジカメが撮れてなくて 残念がっていました
昨日 祖母山の古いガイドブックのページをめくって
いたら 大分昔 祖母山を目指して 前泊の高千穂の民宿まで行き 雨で断念した時の メモ書きが 偶々出てきました
「五ヶ所→一の鳥居→ 北谷登山口→千間平→国観峠→祖母山」のコースを歩くつもりでいたようです
先日来のきよちゃんの写真を見るにつけ 早い時期に 祖母山行き を実現したいです
何か一寸したきっかけで 特定の山に行きたい気分になるものですね
栂海新道も 昨年 「蓮華温泉→朝日岳→白馬岳→蓮華温泉」を歩いた際 途中のある分岐点で
”ここから日本海へ・・・栂海新道” の案内板を見たことが きっかけでした
「骨 皮 筋 右衛門」の小生 未だ 多少でも
”肉”が残っている内に ここぞという 山へ
より沢山 行こうと思っている欲張りおじさんです
引き続き コメント 大歓迎です
ありがとう ございました
PS: 「写真が撮れて PCが出来て 文章が書けて 植物に詳しくて 畑もできて・・・ きよちゃんって 一体何者?」
家内との 日頃の会話です
Posted by: aozora | October 14, 2005 06:45 PM
aozoraさんこんばんは
私の掲示板でも書きましたが、祖母山へは宮崎県側から登る方が負担が少ないです
私ももうすぐ定年を迎える年齢になり、厳しい登山にチャレンジできるのも後数年だと思うようになりました
いつかは嗄沢で燃えるような紅葉も見てみたいモノです
>「骨 皮 筋 右衛門」の小生
私も体重は54kgしかありませんよ~、いつもカメラとレンズに三脚&食料と10数キロのリュックを背負って登っています(^_^)
お互いにいつまでも山を楽しみたいモノですね
Posted by: きよちゃん | October 14, 2005 10:22 PM